2013年8月20日火曜日

花火大会後の対応:08月15日(木)

当Blogは総合内科や臨床研修についてのBlogではあるのですが、今回のことを記載せずに
次の話題を書くことは難しいと感じましたので、個人的なこと+α のみ、記載したいと思います。
 
15日は木曜日で、総合内科としては病棟業務は極めて落ち着いていました(特に当チーム)。
「花火の日だから・・・」というわけではなく、川島自身は17:30には自宅に向かっていました。

福知山市内に住んでいるので、家族で花火大会会場まで歩いていきました。
御霊神社周辺でも屋台が出ているので、そこで遊びながら花火を鑑賞しようと思っていました。

定時になっても花火があがらないなぁ・・・とは感じていました。
たぶん、去年は同じ場所から花火を観ていたので見えるハズ・・・と思いながら、
夜店で子供と”キャラクターすくい”、を楽しんでいました。
そのときに、 『花火大会は中止になりました!』 という趣旨のアナウンスがあり、
そしてしばらくして、 『負傷者が・・・』 というフレーズも聴こえてきました。

おそらく多数の傷病者が発生したかもしれない、と思ったので、病院に行った方がいいと感じ、
病院に連絡を取りながら、(家族と一緒に)戻れる方向に向かいました。
妻が小さい子供2人を連れて帰れるあたりまで一緒に戻って、そこからは病院に走りました
:格好は甚平+サンダルで、病院のロッカーの鍵も持ってませんでした。

正面玄関があいていて、待合ホールはトリアージに向けて段取りをしている雰囲気でした。
少し落ち着いたあとの待合ホール:2階から撮影
自分自身は医局で白衣に着替えて、救急室に向かいました。

報道にもある通り、当院は45名の傷病者を、救急車、もしくはバスでの搬送を受け入れました。
まず初期対応をしながら、トリアージがされていったようです:自分自身は救急室の方にいました。

香川 惠造病院長、北川 昌洋地域救命救急センター長ほかを中心に本部が立ち上がり、
様々なことが短時間で行われていきました。
◆ 医師・看護師ほかの参集
時間外に起こった災害にも関わらず、30数名の医師 と 98名の看護師 が
加療や環境整備に関わられました。
医師は、緊急呼び出しもありましたが、院内で仕事をされていた医師(初期研修医も)や、
帰宅直前に救急室が騒然となっている様子+院内E-call(緊急対応コール)に素早く反応された
消化器内科の先生方が即時に対応を開始されたそうです。
その後も複数の職種の多くの方が、順次参集されておりました。

◆ 院内での対応
中等症以上の傷病者に対しては救急室で初療対応を行いました。
救急看護認定看護師の高見 祥代さんが当日の宿直であったこともありますが、
医師・看護師が連携して、複数の傷病者に対応をされました。
地元救急隊との連携も、お互いに情報交換をしながらの搬送受け入れを行うことで
大きな混乱がなかったように思います。
軽症対応の場所⇒中等症以上の対応の場所への移動でも初期研修医が活躍してくれました。
重症者に対してはICUへの移動・加療を行いましたが、
入院が必要な方へのBed Controlでは、看護部理事や師長さんが尽力して下さいました。
落ち着いたあと転送の段取りの初療室:右奥にも処置室があり、そこでも加療を行いました
病棟からの看護師さんの応援も多数ありました
:通常の病棟業務もあったなかでとても大変なことだったと思いますが、
診療支援だけでなく、子供さんの傷病者に対するケアや家族対応、
物品の管理や情報の整理など、多くの手段でサポートして下さいました。

◆ 院外との連携
今回の災害に対しては、事故直後から近隣医療機関との連携が取られていたようです。
特に、公立豊岡病院 但馬救命救急センター 小林 誠人先生らや、
京都第一赤十字病院 救命救急センター 高階 謙一郎先生らが、
診療支援や分散転送などに大きく関わって下さりました。
救急室隣りに設置された本部:廊下越しにみえるのが処置室
救急室で対応しているときに、院外からの応援の先生のお顔を拝見した時にはホッとしました。
※ ICLSなどで個人的にもお世話になっている公立南丹病院 計良 夏哉先生らや
北部医療センター 隅田 靖之先生らにも転送でお世話になりました。

医師同乗の搬送には若手医師 4人が頑張ってくれました
:中には当直明けにも関わらず、手を挙げてくれた医師もいてくれました。

上記のことがあり、深夜0時には、ほぼ院内は落ち着いた感じになったようです。
(本部の許可を得た)初期研修医が、診療に関わった医療者に対して、
水分や食糧補給に走ってくれましたが、そのときの軽食でホッと一息つけました。
医師に関しては、深夜まで院内待機となっていましたが、
香川病院長をはじめとした幹部の医局での挨拶をもって、初療対応医師は解散となりました。

当院では、事故対応における検証委員会の立ち上げや総括を進めていく予定になっています。
様々なことが落ち着き、検討が終わった段階で、さらなるご報告ができると思います。
現時点では、院内・院外における 日ごろからの密接な連携が、
円滑な事故対応につながったのではないかと感じています。
 
今回の事故対応で関わって下さった近隣医療機関の皆さま、
また緊急性の高い災害と認識いただき遠方からもご支援頂きました医療機関の皆さまに
感謝致します。
 
また時間外にも関わらず、多くの病院スタッフが尽力されたと思います。
こういったときに院内の底力と強いつながりを感じます。皆さま、本当にお疲れさまでした。
 
最後になりますが、今回の事故で永眠された方々のご冥福をお祈りするとともに、
ご家族さまには謹んで哀悼の意を表します。
また負傷され療養されている方々の早期の回復を心よりお祈り致します。

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